
遺品整理業者見積り
(公開日:2016年5月19日)最新更新日:2023年3月14日
遺品整理を依頼する際、費用面に不安を抱く人は珍しくありません。然し、遺品整理は家族の思い出を整理するための大切な作業なので、後悔しないように、見積もりの見方を十分に理解することが重要です。
元ホテルマンで、2002年よりさいたま市内で遺品整理の店舗を運営する店長が、遺品整理業者の見積りの見方についてお伝えします。ぜひご参考ください。
遺品整理業者によって、見積もり方法・内容が異なることがありますが、通常は、現地に伺い、その場で料金を提示することになります。
業者が現地に伺うのは、部屋の広さや遺品の量などを確認して「必要な人件費と処分代金の計算が必要だからです。

では、業者からの見積もりを確認する際のポイントをご紹介します。また、業者の見積もりには注意が必要な点もありますので、それについても解説いたします。
遺品整理見積り 料金の注意点と見方
「ホームページに掲載されていた買取り表示と金額を見て、見積もりを依頼したものの、実際に提示された見積もり内容も違い、話が違っていた」 民間資格を誇示して営業していたが、実際には見積りに来た人の雰囲気が違い、料金もホームページに書いていたこととは違っていた。耳にすることがあります。
業者の料金トラブルを防ぐ意味で、見積りを受取って確認する際に5つ注意点がありますのでご説明します。
① 遺品整理 見積り前の注意点。営業年数と責任者印
こちらが一番重要です。遺品整理業者から見積りを取る前に、大切なことがあります。
それは業者の営業年数です。安心できる業者を選ぶ際の目安の一つとなるからです。
お電話でも、下見の時でも結構です。「この地域で何年営業されていますか?」と聞いて下さい。あいまいに答えたりするようであれば、避けたほうが無難です。
なぜなら営業年数というのはうそがつけないのです。そして実際に長年地域で営業しているということは、何よりも信用になります。
美しくデザインされたホームページは、ホームページ制作会社に依頼すれば、すぐにでも作れます。ただ営業年数を作る事は出来ません。

次に、業者を呼んで見積り書を受け取る際に、責任者印を必ずチェックして下さい。
責任者印は見落としがちですが、見積り後の希望を伝える際にも、責任者印が押してある場合とない場合では、料金についても対応に違いがでますのでご注意ください。
※重要なポイント: 責任者印が確認出来た後に、1つ確認して頂きたいことがあります。
「当日、あなたも作業に来るのですか?」聞いて見てください。下見をした担当者は「現地の状況・遺品の量」を全て理解しています。
そのため、作業当日に「伝えわすれていた要望があったり、集合住宅でエレベーターが急に使えなくなった等の予期せぬ出来事」が起きたときも、責任者がいるといないでは業者の対応が違ってくることがあるので、必ず聞いてください。
※ 処分費用について
業者が現地で経費の計算をする際に必ず基準になるのは「人件費+処分代金です。
処分するものが 少量であれば、電話で費用を伝えられますが、遺品整理の場合には実際に現地で見せて頂かないと正確な料金を出すことは困難です。
そのうえで、当店に次のような電話を頂くことがあります。
「積み放題○○円」の業者を呼んだところ、全く話が違っていた。
積み放題とはおそらく業者がトラックに積むと思いますが、
「誰が分別をするのでしょうか?」そして、誰がトラックまで運搬するのでしょうか?
まるで定価商品のように演出したとしても、曖昧なケースが多いと聞きます。
改めてお伝えすると、業者が処分費用を提示するには、現地で内容を確認する必要があります。
見積りに導く文言のように思えることもあるので少し、疑っています。
② 遺品整理 見積り注意点、業者の作業スケジュール
遺品整理の見積りには、作業内容や費用のなかに、スケジュールが含まれます。
見積りで一番気になるのは料金ですが「部屋の間取りと遺品の荷物量が全く同じ」でも、1日で終える業者と3日間充てる業者が存在します。
素早く終える業者が、良いとは限りませんのでご注意ください。
遺品整理の作業は、荷物の持ち主が亡くなっていることです。
そのため、遺族の方は「どこになにがあるのか?」分からないので、業者が万一、貴重品などを誤って捨ててしまっても気がづかないこともあるからです。
そのため、経験豊富な遺品整理業者であっても、現地の状況によって時間をかけて作業することがあります。
作業スケジュールも見落としがちですが、金額だけではなく、作業内容もしっかりと確認するようにしてください。
見積もりを受取る際に、この内容を確認して、不明点があれば業者に質問してください。
▼ 遺品整理の手引書(当店公式のユーチューブチャンネルです)ぜひご覧ください。
③ 見積りにある人件費の人数
遺品整理業者が提供する人件費には、スタッフの対応人数によって差が生じることがあります。
そして、同じ現場でも4名対応と6名対応などの違いが生じることがあります。
では、人数の違いに何があるのでしょうか?
よくある状況をご説明します。
例えば「母が身に着けていたネックレスが見つからないので探して欲しい」
「転勤が多かった父親の預金通帳が出てこない。部屋にあるはずなので見つけて欲しい」
「素早く終える業者が良いとはいえない」部分にかさなりますが、
部屋で、小さな箱のなか「1つ1つ」を開けて確認する場合と、ざっくり見回して探す場合では、明らかに費やす時間が違ってきます。
そのため、引越し業者とは異なり、遺品整理業者によって対応人数が異なります。
現場の経験が豊富な業者であっても、作業効率ではなく、1つ1つ丁寧に進めるためには必然的に作業人数が多くなるからです。
大切なので繰り返しますが、人数と時間をかけて作業を行う業者は、故人の遺品を丁重に扱います。そして「貴重品などを誤って処分するリスク」はまずありません。
④ 料金で不明瞭なものはないか?
「・・の場合は別途」と書いてある「見積り」があります。
例えば、戸建ての2階にエレクトーンなどがあって、搬入した際にクレーン車を手配した場合には、搬出する際には同様にクレーン車を手配するようなケースです。
「・・・の場合別途」等と、仮に「見積もり書」にあった場合には、注意点として費用明細を尋ねてみてください。
また、どのような条件の際に別途なのか、詳しく聞いてください。
⑤ 追加費用が発生する可能性があるケースの注意点
追加料金が発生する可能性がある典型的な例をお伝えします。
実家の遺品整理であっても、親の部屋にある全ての荷物を把握することは、子供にとって困難です。
そのため「一体何がどこにあるか分からない?、親の荷物がどこにしまってあるか分からない」と伺います。
そして業者が見積りを行う際に、例えば戸建て4部屋の荷物量を確認する時に、各部屋のダンボールに入っている箱を開けて1つ1つ確認するのは現実に難しい要素があります。
遺品整理の作業であれば確認しますが、見積り段階で仮に行おうとすれば、数時間以上、かかることがあるからです。
ただ、作業中に 大量な危険物が見つかった場合、追加料金がかかる可能性があります。
例えば、消火器、バッテリー、灯油、ガスボンベなどが挙げられます。
また、灯油やガスボンベは引火物として扱われるため、大量にあると別途処分料金が発生することもあります。業者の見積りには、危険物が見つかった際の対応に関する明確な記載が必要です。
業者によっては「このあいだの見積もりには、灯油は、入ってはおりません」
「こちらにあるガスボンベは特殊で処分に追加料金がかかるものですから・・・」という形で主張することもあります。
(※一般的に、特殊なガスボンベ(キャンプ関連)等ではなく、家庭用のガスボンベ数本程度であれば、追加費用がかかりませんが、業者によって対応が異なる事もあります。)
見積りで、何か気になるところがあれば、担当者に、料金のこと以外にも要望を含めて、必ず確認するようにしてください。
※ 知っておいて頂きたいこと
遺品整理の見積りは、業者が料金を提出した際に「一定時間内」で作業を終える前提として、見積りはその時間枠を考慮した金額が提示されます。
ただ、作業が予定よりも長引いてしまう場合もあります。
遺品整理業者トラブルで多いのは「追加料金を請求される」ケースです。
ただし、料金を請求するためには明確な根拠が必要であり、例えば業者側の責任による遅延の場合は、明らかに追加料金の対象にはならないと思います。
そのため、依頼する際には「契約書」などを取り交わすか、見積り内容に納得がいく業者を選ぶようにしてください。
遺品整理業者 いくらかかった?
遺品整理業者の見積りには、いくらかかるか必ず項目ごとの内訳があります。
見積りには、人件費と廃棄代金が書いてあります。
人件費は、戸建てからの搬出、マンション・アパートなど(階数の)状況によって違ってきます。
一般的には戸建ての方が、集合住宅に比べて「作業時間を要することが多いので搬出料金(人件費)が、がかかります。
また、「戸建ては収納スペースが多いため、処分代金」が、アパートなどに比べると廃棄代金がかかる傾向があります。
まとめ
1.追加料金が発生する可能性があると言われた場合は、理由を明確に聞いてください。
2.見積り料金が安すぎる業者は作業員のマナーが良くなかったりすることがあるので、ご注意ください。
3.素早く言える業者が良いとは言い切れません。あなたにどれだけ寄り添って時間をかけてくれるかも大切です。
4.パソコンで業者のホームページで営業年数がわかることがあります。一番下までスクロールすると、Copyright (C) 2003- 2023などの表示があります。2003年よりホームページを運営しているような表示は、長く営業している実績となります。
5. 遺品整理業者の口コミや評判を確認することでサービスの質などを判断することができます。ただし、口コミや評判は個人的な感想や意見が含まれるため、客観的な判断に基づいて判断してください。
